小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業して間もない小規模事業者を重点的に支援する持続化補助金の類型です。通常の一般型(補助上限50万円)に対して、創業型は補助上限200万円と手厚い一方、「創業後1年以内」「市区町村の創業支援を受けていること」という創業型ならではの要件があります。

この記事では、現在公募中の第4回公募の公募要領に基づいて、対象者・補助額・スケジュール・申請の流れを解説します。一般型(通常枠)については、小規模事業者持続化補助金とは?対象者・補助額・スケジュールをわかりやすく解説をご覧ください。

創業型とは

創業型は、創業後1年以内の小規模事業者が経営計画を作り、その計画に基づいて行う販路開拓(売上を増やすための取り組み)の経費の一部を国が補助する制度です。販路開拓とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みも対象になります。

創業期は、お店や商品を知ってもらうための広告・ホームページ・設備投資など、何かとお金がかかる時期です。その初期投資の2/3を補助してもらえる可能性があるため、対象になる方はぜひ検討したい補助金です。

補助上限額と補助率

項目 内容
補助上限 200万円
補助率 2/3
インボイス特例 +50万円上乗せ(最大250万円)

補助率2/3とは、たとえば300万円の対象経費を使った場合に、その2/3である200万円が補助されるという意味です。

インボイス特例(+50万円)

2023年10月1日以降に創業した事業者で、補助事業の終了時点において適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録を受けている場合、補助上限が50万円上乗せされ最大250万円になります。

注意点: 補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付されません。インボイス登録は消費税の納税義務にも関わる判断なので、税理士等に相談のうえ慎重に検討しましょう。

なお、一般型にある賃金引上げ特例(+150万円)は、創業型にはありません。

対象となる事業者(創業型ならではの要件)

創業型には、小規模事業者の要件に加えて、創業型特有の申請要件があります。

① 「特定創業支援等事業」による支援を受けていること

産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または認定市区町村と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を受けたことが必須要件です。市区町村が実施する創業セミナーや継続的な創業相談などがこれに当たります。

申請には、認定市区町村が発行する証明書(「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」)の写しの提出が必要です。証明書の発行には時間がかかる場合があるため、お住まいの市区役所・町村役場に早めに相談しましょう。なお、支援を受けた地域以外の地域で創業した場合も対象になります。

② 支援を受けた日と開業日が「公募締切から過去1年以内」であること

特定創業支援等事業による支援を受けた日開業日(法人は登記上の会社成立年月日、個人事業主は開業届の開業日)の両方が、公募締切時から起算して過去1年の間であることが必要です。

  • 法人の場合: 代表者自身が支援を受けていることが必要です(代表者以外の役員・従業員が受けた場合は対象外)
  • 個人事業主の場合: 本人が支援を受けていることが必要です(家族従事者等が受けた場合は対象外)
  • 個人事業を法人化した場合: 個人事業の開業日から1年を経過していると申請できません

③ 小規模事業者であること

一般型と同じく、業種ごとの常時使用する従業員数で判断されます。

業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

会社(株式会社・合同会社など)のほか、個人事業主、士業法人、一定の要件を満たすNPO法人も対象です。医師・歯科医師・助産師、医療法人、一般社団法人などは対象外です。

開業届は出したがまだ売上がない、という場合は?

すでに開業・設立済みで、店舗のオープン準備中・ECモールへの出店準備中など、まだ事業活動を開始していない事業者も対象になり得ます。ただし、補助事業の終了までに商品・サービスの提供を開始することが必要で、満たさない場合は補助金が交付されません。

一方、申請時点で開業していない創業予定者は対象外です。開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日より後の場合は対象になりません。

過去に採択された方・一般型との併願はできません

  • 過去に創業型で採択され事業を実施した事業者は、申請できません
  • 一般型(通常枠)との重複申請はできません。創業後1年以内の方はどちらも申請し得るため、補助上限(創業型200万円/一般型50万円)や自社の投資計画を踏まえてどちらか一方を選ぶ必要があります

補助対象となる経費

対象になる経費は一般型と同じ8種類です。

  1. 機械装置等費
  2. 広報費(チラシ・看板・ネット広告など)※上限30万円(税込)
  3. ウェブサイト関連費 ※上限30万円(税込)
  4. 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
  5. 旅費
  6. 新商品開発費
  7. 借料
  8. 委託・外注費

パソコンや自動車のような汎用性の高いものは対象外となるのが原則です。詳しい考え方は、補助金の対象経費とは?共通する考え方を解説もご覧ください。

広告費には上限があります(広報費・ウェブサイト関連費とも各30万円)

チラシ・看板・ネット広告・SNS広告などの広報費と、自社ホームページやECサイトの制作・改修などのウェブサイト関連費には、それぞれ補助金交付申請額30万円(税込)の上限があります。また、この2つの経費だけでの申請はできず、必ずほかの経費と組み合わせる必要があります。

補助上限は200万円ですが、「創業したばかりなので、まずは広告とホームページに集中投資したい」という計画の場合、補助対象にできるのは広報費30万円+ウェブサイト関連費30万円の合計60万円までです。200万円の枠を活かすには、店舗の内装・改装工事(委託・外注費)や機械・設備の導入(機械装置等費)など、広告以外の取り組みを組み合わせた計画づくりがポイントになります。

なお、既存の事務所賃料や商品の仕入れ、人件費など、通常の事業活動に係る経費は対象外です。「創業期の運転資金の足し」にはできない点に注意してください。

第4回公募のスケジュール

項目 日程
公募要領の公開 2026年5月27日(水)
申請受付開始 2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行の受付締切 2026年12月4日(金)
申請受付締切 2026年12月15日(火)17:00
採択発表 2027年3月頃(予定)
事業実施期限 2028年3月31日(金)

一般型と同じく、申請締切の前に、「事業支援計画書(様式4)」の発行受付締切である12月4日があります。様式4は地域の商工会・商工会議所に発行してもらう書類で、締切後の発行依頼はいかなる理由でもできません。さらに創業型は、市区町村の証明書の取得も必要なため、実質的な準備期限はもっと手前にあると考えて動きましょう。

申請の流れ

  1. 特定創業支援等事業の証明書を市区町村に発行してもらう(未取得の場合、支援の受講から必要になるため最優先で確認)
  2. GビズIDプライムのアカウントを取得する(発行に数週間程度かかります)
  3. 経営計画書兼補助事業計画書(様式2・3)を作成する
  4. 地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼する
  5. 電子申請システム(Jグランツ)で申請する(郵送申請は受け付けられていません)
  6. 採択発表 → 見積書等の提出 → 交付決定
  7. 補助事業の実施・支払い → 実績報告
  8. 補助金の入金 → 事業効果報告書の提出(事業終了から1年後)

経営計画書の書き方は持続化補助金の経営計画書の書き方のポイントで解説しています。創業型の審査では、特定創業支援等事業で策定した創業計画書等の内容を踏まえた補助事業計画になっているかも評価項目とされているため、創業計画書をお持ちの方は提出し、内容に一貫性を持たせることをおすすめします(策定していない場合でも、それを理由とした不採択や減点はありません)。

申請前に知っておきたい注意点

  • 審査があります。申請すれば必ず採択されるわけではなく、経営計画・補助事業計画の内容が審査されます
  • 補助金は後払いです。交付決定前に発注・契約・支払いした経費は対象外となり、入金は実績報告の確認後になるため、経費はいったん自己資金で立て替える必要があります
  • 交付決定まで時間がかかります。採択発表(2027年3月頃予定)から交付決定まで概ね1〜2か月かかる場合があります。「今すぐ広告を出したい」という資金需要には合わないことがあります
  • 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む制度です。計画作成や様式4の発行依頼を代理人だけで行うことはできず、事業者自身が関与する必要があります

まとめ

小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内で市区町村の特定創業支援等事業を受けた小規模事業者が、最大200万円(インボイス特例で最大250万円)・補助率2/3の支援を受けられる制度です。第4回公募は2026年12月15日締切(様式4の発行依頼は12月4日まで)ですが、市区町村の証明書取得やGビズIDの発行など前段階の準備に時間がかかるため、早めに動き出すことが大切です。

「自分は特定創業支援等事業の対象になるのか」「創業型と一般型のどちらで申請すべきか」といった段階のご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。


出典(2026年8月10日確認)